『8年越しの花嫁 奇跡の実話』【感想・レビュー】

2017年12月31日日曜日

日本映画

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『8年越しの花嫁 奇跡の実話』

©2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会

スタッフ

監督:瀬々敬久
脚本:岡田惠和

キャスト

佐藤健:西澤尚志
土屋太鳳:中原麻衣
薬師丸ひろ子:中原初美
杉本哲太:中原浩二
北村一輝:柴田

あらすじ

結婚を約束したカップル尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。結婚式を間近に控え幸せ絶頂だったある日、原因不明の病が突然麻衣を襲い、意識不明となってしまう。いつ目が覚めるかわからない状態に、麻衣の両親(薬師丸ひろ子、杉本哲太)からは「もう麻衣のことは忘れてほしい」と言われるが、尚志は諦めず麻衣の側で回復を祈り続ける。長い年月の末、ようやく麻衣は目を覚ますが、さらなる試練が二人を待ち受けていた。そして結婚の約束から8年。二人に訪れる奇跡とは…。(公式HPより)

物語のもとになるもの

過去にも、実話をもとにした映画は多く、『エリン・ブロコビッチ』や『フラガール』、『クライマーズ・ハイ』など名作を生み出している。本作品も、実話を小説にされたものがベースとなっている。ただし、ドキュメント映画とは違う。
実話を基にする時、難しいのは、映画がエンターテイメントである以上、ストーリーがドラマティックである必要があることだ。映画はドキュメントでなければ、フィクションであるが、実話をもとにしたとうたっている以上、まったく違う話では意味がなくなってしまう。そのあたりのバランスが難しい。

難しい演技

主人公の2人は、偉人がもとになっているわけではないので、魅力的なキャラクターではない、「普通の人」である。その「普通の人」をいかに魅力的なキャラクターとして演じるのか、というのが非常に難しい。起きたエピソードは「奇跡」かもしれないが、それは普段身近にいる普通の人のもとで起きたことなのだから。

この作品に足りないところ

実話をもとにすると、「嘘」ではないので、作品の根底にリアリティを生み出す効果がある。他方で、ドラマというのは、ラストシーンに向けて、無駄のない構成で作られているし、不足するエピソードは追加されていく必要がある。そういう意味で、この作品は、もとのお話に忠実に作ろうとするあまり、盛り上がる演出を控えめにしてしまっているようにみえる。たとえ、事実ではないエピソードであっても、追加することでより盛り上がるのであれば、それで良しとすべきだった。

作品全体として

真摯に制作されたおとなしい物語。ストーリーを原作者の方の了解の得られる範囲ではあるが、もっと練り上げるべきではなかったか。起きた奇跡が素晴らしいだけに、少し残念な感が否めない。

『8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら』公式サイト
http://8nengoshi.jp/

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