『不能犯』【感想・レビュー】

2018年2月5日月曜日

日本映画

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『不能犯』
(C) 宮月新・神崎裕也/集英社・2018「不能犯」製作委員会

スタッフ

監督:白石晃士
原作:宮月新
原作(画):神崎裕也
脚本:山岡潤平、白石晃士

キャスト

松坂桃李:宇相吹正
沢尻エリカ:多田友子
新田真剣佑:百々瀬麻雄
間宮祥太朗:川端タケル

あらすじ

「…愚かだね、人間は」
都会のど真ん中で、次々と起きる変死事件。現場では、必ず黒スーツの男が目撃される。男の名は宇相吹正、ある電話ボックスに殺してほしい理由と連絡先を残すと、“願い”を叶えてくれる男だ。ただし、依頼人の殺意が純粋でないと、恐ろしい事態を招くという。さらに、ターゲットは確実に死に至るのだが、その死因は病死や自殺に事故--。そう、宇相吹の犯行は、<見つめられるだけで相手を死に追いやる>ため、罪には問われない<不能犯>なのだ。果たして、その手口とは--?(公式HPより)

俳優:松坂桃李の挑戦

前年公開の『彼女がその名を知らない鳥たち』を初め、30歳を前に幅広い役どころへ挑戦されている松坂桃李が、殺人鬼に挑んでいる作品。原作が漫画作品であることもあり、キャラクター性を強く意識した演技が垣間見える。

休む間もないストーリー展開

多くの登場人物とエピソードを積み込んだ結果、各々の人物像が描き切れておらず、中盤の羽根田夫妻のエピソードぐらいしか記憶に残らない脚本が少し残念。エピソード数を減らし、原作にはないのかもしれないが、登場人物が純粋な「殺意」を持つための背景を丁寧に描いた方が、真に迫る恐ろしさが描けたのではないかと考えられる。松坂桃李の登場シーンを増やそうとした結果なのだろうか。

原作が漫画であるが

昨今、漫画を原作とした作品は、まったく体をなさない残念な作品が多いが、本作は、原作の魅力に届かないまでも、映画作品として、成立している点は評価できる。舞台がSFやファンタジーなものではないので、映像化した際に違和感が少ないのかもしれない。

作品全体として

松坂桃李のために、原作を探して、映画化したような作品。もう少し、ゆるやかな展開と「間」を映像の中に織り込むことができれば、作品として締まったと思われ、映画として監督やプロデューサーが脚本をもう少し大切に扱って欲しかった。集客を意識したあまり、少し足りない印象が残ってしまった。

『不能犯』公式サイト
http://funohan.jp/

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