『カランコエの花』【感想・レビュー】

2018年7月19日木曜日

日本映画

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『カランコエの花』【感想・レビュー】

(C)2018 中川組

スタッフ

監督・脚本:中川駿

キャスト

今田美桜:一ノ瀬月乃
永瀬千裕:葛城沙奈
笠松将:新木裕也
須藤誠:佐伯洋太
有佐:小牧桜
堀春菜:梶原千里
手島実優:矢嶋みどり
石本径代:月乃の母
山上綾加:小嶋花絵

あらすじ

「うちのクラスにもいるんじゃないか?」
とある高校2年生のクラス。ある日唐突に『LGBTについて』の授業が行われた 。しかし他のクラスではその授業は行われておらず、 生徒たちに疑念が生じる。「うちのクラスにLGBTの人がいるんじゃないか?」生徒らの日常に波紋が広がっていき…。思春期ならではの心の葛藤が 起こした行動とは…?(公式HPより)

繊細で感受性が高い高校生たちの、ある風景

LGBTがテーマとの触れ込みだったが、それよりもむしろ、感受性の高い高校生のクラスで隠していた恋心と予期せぬ出来事から傷つけあってしまう青春物語だった。監督がセリフをある程度、等身大の出演者に任せた結果、作られた感のない若者が描かれている。

道徳教育のカウンター

学校や会社で、人権教育として多くの映像を観る機会があると、テーマを聞くだけで身構えてしまい、このような作品をスゥっと観るためのハードルを上げてしまっている。学校の授業で観せるのではなく、たとえば、学生のみ無料で上映するような形が良いのではないだろうか。

ラストシーン

最終版のラストシーンが、心に刺さる演出がされている。タイアップ曲を流す場にしている大手配給会社は、反省した方がいい。観客に誠実に映画は作られるべき。

作品全体として

短編ながら、監督の意気込みを感じる作品。こういう監督に長編を撮って欲しい気もするが、社会性の高いテーマを選ぶ中川監督にとっては、これぐらいの尺があっているのかもしれない。映画ファンは、肩に力を入れず、自然と涙を流すといい。そんな作品。

『カランコエの花』公式サイト
http://kalanchoe-no-hana.com/

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