『灰色だった空を見上げ、僕らは明日に向かう』As Scent Passes 拿摩一等【感想・レビュー】

2018年10月20日土曜日

映画祭 外国語映画

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『灰色だった空を見上げ、僕らは明日に向かう』As Scent Passes 拿摩一等【感想・レビュー】


2018 東京・中国映画週間上映作品

スタッフ

監督:アー・ニエン(阿年)Ah Nian

キャスト

ヤン・ルー Le Yang:Xiao Sheng
グイ・アーレイ(帰亜蕾)Ah-Lei Gua:Grandmother
チョウ・リン(邱林)Lin Qiu:Zhen Zhen

あらすじ

恋人との結婚を控え、上海で奮起していた主人公はある日会社に突然解雇されてしまう。なかなか恋人に言い出せない日々・・・次第に生活は苦しくなり恋人と別れ、故郷に帰ることに。(2018東京・中国映画週間公式HPより)

近代化した上海が抱える若者の悩みを映す

世界有数の大都市に発展した上海では、生活様式が近代化するだけでなく、恋愛や結婚観も大きく変化してきている。そんな現代上海を舞台に、「愛とは何か」「二人で人生を共にする意味」を主人公の目線で追いかけている。その象徴的な言葉として、祖父母が休日に出かけていく姿を観るヒロインの言葉“あの二人は結婚する意味を知っている”が心に響きます。

愛の熟度

最初は、脇役にみえた祖父母夫婦だが、その通いあう心の在り方が、結婚を前にして悩む若い主人公と恋人に愛情の本質を伝える姿が、押しつけがましくもなく、浸み込んでいく様が素晴らしい。

それぞれの愛と幸福

主人公は、物語の半ば、故郷で母親の経営する結婚式プロデュース業を手伝うのだが、その中で、度々、結婚する二人に問う「あなたが結婚を決めた理由は何か」という問いに対し、すべてのカップルに物語があり、愛があり、理由がある。その答えに主人公は、愛の形に気づいていくのだが、その目線を通して、観客も追体験する。

作品全体として

影のある前半に対して、派手な演出はないいが、雲間が晴れていくような演出が素晴らしい。日本では、CGやワイヤーアクション等の印象の強い中国映画だが、本作はその繊細さから、そのイメージが払拭されるような作品。おススメ。

2018東京・中国映画週間公式HP
http://cjiff.net/

『灰色だった空を見上げ、僕らは明日に向かう』As Scent Passes IMDB
https://www.imdb.com/title/tt8693492/

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