おすすめ映画 2018年 下半期 ベスト
2018年7月から12月までの間に、編集部が劇場で鑑賞した作品の中で、おすすめ作品をご紹介します。鑑賞数は123本。映画祭等での上映「第31回東京国際映画祭」「2018東京・中国映画週間」を含みますので、今後、全国配給されるもの、今後日本公開が未定の作品も含みます。『The Witch 魔女』
公開日:2018年11月3日
キャスト:キム・ダミ、チョ・ミンス、パク・ヒスン、チェ・ウシク
予告編だけでは、本作の「魔女」たる内容は明かされず、物語の山場を迎えるまで観客は、いつ魔女たるヒロインが現れるのか、を期待して待つことになる。このクライマックスまでの尺や伏線の構成がうまく設定されていて、眠くなることはなく、また、その「引き」の尺が最大値になったタイミングで、魔女の活躍が観客の目を惹く素晴らしさのため、爽快感が大きい。日本版タイトルは『The Witch 魔女』だが、グローバル版では『The Witch:Part1 - The Subversion』となっていて、これが長い物語の序章であることがわかる。
『カメラを止めるな!』
公開日:2018年6月23日
キャスト:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、秋山ゆずき
2018年の映画界の台風の目となったインディペンデント作品。一見、B級の低予算映画で、勢いで作ったのか、と思いきや、細部に設定、画面構成、セリフなど伏線が引かれていて、それをサスペンス作品のように、シリアスに回収するのではなく、そこでも、笑いや驚きをもたらす構成が素晴らしい。6月23日の小規模公開から話題を呼び、全国の劇場へと波のように公開劇場が広がり、年を超えても、まだ上映館が存在する。本当に怪物映画になってしまった。
『search サーチ』
公開日:2018年10月26日
キャスト:ジョン・チョウ、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー
PCの画面上を基本に展開する、まったく新しい映画。ソーシャルメディアのインターフェースの特性が作品のアクセントとなっている。まるで、叙述トリックの推理小説を読んでいるようで、鑑賞後感が通常の映画作品とは異なる不思議な感覚を味わうことができる。
『きらきら眼鏡』
公開日:2018年9月15日
キャスト:金井浩人、池脇千鶴、安藤政信
きらきら眼鏡というタイトルの意味を伏線として、その対象が途中から反転する脚本が秀逸。それを、池脇千鶴が演じることで、物語に深さが増している。ミステリー作品ではないのに、「騙された」と思わされる展開に驚いた作品。金井、安藤の演技も素晴らしく、もっと評価されるべき、隠れた名作。
『テルアビブ・オン・ファイア』
公開日:日本公開未定(東京国際映画祭コンペティション作品)
キャスト:カイス・ナーシェフ、ルブナ・アザバル、ヤニブ・ビトン
現在も、軍による統制、検問、地域を隔てる壁がある中で、まずは、この作品を描いた監督に敬意を表したい。そして、コメディという形を使うことで、見事に問題提示を行っていることが素晴らしい。日本をはじめTV文化のある国なら理解できるだろう「ソープオペラ」を使い、また、フムスという食を使い、つまり「文化的な共通項」を使うことで、イスラエルの抱える社会的課題を自然に理解できる創りになっている。この作品を招待した東京国際映画祭は、素晴らしいし、また、この作品が多くの国で上映されることに、意味がある。そんな作品。
『カランコエの花』
公開日:2018年7月14日
キャスト:今田美桜、永瀬千裕、笠松将、須藤誠、有佐、堀春菜、手島実優、石本径代、山上綾加
『カメラを止めるな!』を追いかけるように、小規模公開から全国に広がったインディペンデント作品。LGBTがテーマとの触れ込みだったが、それよりもむしろ、感受性の高い高校生のクラスで隠していた恋心と予期せぬ出来事から傷つけあってしまう青春物語として描かれている。映画ファンは、肩に力を入れず、自然と涙を流すといい。
『タリーと私の秘密の時間』
公開日:2018年8月17日
キャスト:シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイビス、マーク・デュプラス
あれだけの美貌を持ちながら、『モンスター』で衝撃的な役づくりをしたシャーリーズ・セロンが、再び、18kgの増量し、体形を崩してまで挑む姿が、彼女の女優魂の凄まじさを感じずにはいられない作品。そして、その彼女を受けてとめるマッケンジー・デイビスの演技も、この物語を引き立てている。
『メアリーの総て』
公開日:2018年12月15日
キャスト:エル・ファニング、ダグラス・ブース、ベル・パウリー、トム・スターリッジ、ベン・ハーディ、スティーヴン・ディレイン
女性の強さが注目を集めている現在の映画界において、時代は19世紀であるが、描かれているものは現代に通じるものがあり、そして、その主人公を今後の映画界で注目を集めるであろう エル・ファニング が演じていることは、今後の鍵となる作品かもしれない。ただ、そんな周辺部分なことを抜きに、フランケンシュタインが生み出された19世紀の世界感が体感できる。そんな作品。
『月極オトコトモダチ』
公開日:全国配給未定(第31回 東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門)
キャスト:徳永えり、橋本 淳、芦那すみれ、野崎智子、山田佳奈
「MOOSIC LAB 2018」エントリー作品として、男女の間に友情は本当に存在しないのか、という身近なテーマをシンプルなストーリーで描いた作品で、特に監督と同世代中心の女性は共感をもって鑑賞できそう。物語のアクセントになっているのは「レンタル友達」で、これが時代を反映した作品としての要素を加えている。新人監督が限られた予算で製作されたものとして、小気味よい作品。
『閃光少女』
公開日:2018年8月18日
キャスト:シュー・ルー、パン・ユーチャン、リュー・イョンシー、リー・ヌオ、ルー・チャオホワ、ハン・チョンユィ
中国映画や香港映画では、割とポピュラーなジャンルである音楽を題材にする青春コメディだが、日本ではあまりみかけない。『スウィングガールズ』以来、〇〇ガールズというタイトルをみかける程度か。高校生の葛藤や挫折を音楽を絡めて、ポップにみせる作品で心が弾む秀作。日本で観る機会が限られるジャンルでもあり、ぜひ映画ファンには観て欲しい。作品中に、アニメーションやコスプレが登場するもの、日本文化との親和性があって、日本のファンには入りやすい印象である。
2018年下半期作品 編集部が劇場で鑑賞した123本
『パンク侍、斬られて候』『カメラを止めるな!』『少女邂逅』『ルームロンダリング』『REVENGE リベンジ』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』『ジュラシック・ワールド 炎の王国』『カランコエの花」』『一人の息子』『ウインド・リバー』『未来のミライ』『2重螺旋の恋人』『詩季織々』『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』『センセイ君主』『追想』『オーシャンズ8』『モリーズ・ゲーム』『SHOCK WAVE ショック』『アラーニェの虫籠』『アニー・イン・ザ・ターミナル』『タリーと私の秘密の時間』『ペンギン・ハイウェイ』『検察側の罪人』『1999年の夏休み デジタルリマスター版』『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』『閃光少女』『夏、19歳の肖像』『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』『マガディーラ 勇者転生』『妻の愛、娘の時』『SPL 狼たちの処刑台』『きみの鳥はうたえる』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『500ページの夢の束』『泣き虫しょったんの奇跡』『3D彼女 リアルガール』『響 HIBIKI』『リグレッション』『1987、ある闘いの真実』『累 かさね』『愛しのアイリーン』『寝ても覚めても』『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄(ヒーロー)』『食べる女』『君の膵臓をたべたい』(アニメーション)『スカイスクレイパー』『きらきら眼鏡』『散り椿』『クワイエット・プレイス』『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』『あのコの、トリコ。』『ブレイン・ゲーム』『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』『かごの中の瞳』『パーフェクトワールド 君といる奇跡』『灰色だった空を見上げ、僕らは明日に向かう』『僕はチャイナタウンの名探偵2』『南極の恋』『プレイヤー A or B』『恥知らずの鉄拳』『ルームシェア~時を超えて君と~』『戦神紀 ~チンギス・ハーンの物語~』『カイジ 動物世界』『世界の優しき無関心』『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 & Case.2 First Guardian』『プロジェクト・グーテンベルク』『テルアビブ・オン・ファイア』『海だけが知っている』『ノン・フィクション』『ホワイト・クロウ』『武術の孤児』『愛がなんだ』『堕ちた希望』『三人の夫』『詩人』『翳りゆく父』『氷の季節』『シレンズコール』『半世界』『月極オトコトモダチ』『search サーチ』『ヒストリー・レッスン』『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』『大いなる闇の日々』『家族のレシピ』『銃』『21世紀の女の子』『億男』『テルマ』『アンダー・ザ・シルバーレイク』『GODZILLA 星を喰う者』『ここは退屈迎えに来て』『マイ・プレシャス・リスト』『十年 Ten Years Japan』『続・終物語』『The Witch 魔女』『イット・カムズ・アット・ナイト』『ギャングース』『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』『人魚の眠る家』『走れ!T校バスケット部』『機動戦士ガンダムNT』『ヘレディタリー/継承』『ポリス・ストーリー REBORN』『青の帰り道』『斬、』『マチルダ 禁断の恋』『プロミス 氷上の女神たち』『デスティニー・イン・ザ・ウォー』『スマホを落としただけなのに』『来る』『春待つ僕ら』『マイ・サンシャイン』『メアリーの総て』『くるみ割り人形と秘密の王国』『からっぽ』『アリー スター誕生』『いつか家族に』『死体が消えた夜』『レディinホワイト』『宵闇真珠』
参考:おすすめ映画 2018年 上半期 ベスト
参考:2017年Life with movies編集部が独断と偏見で選ぶおススメ映画ランキング
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