『デイアンドナイト』【感想・レビュー】

2019年1月26日土曜日

review

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(C)「デイアンドナイト」製作委員会

スタッフ staff

監督:藤井道人
企画・原案:阿部進之介
脚本:小寺和久、藤井道人
プロデューサー:山田孝之

出演 Cast

阿部進之介:明石幸次
安藤政信:北村健一
清原果耶:大野奈々
田中哲司:三宅良平
小西真奈美:トモコ
佐津川愛美:友梨佳
渡辺裕之:明石和幸
室井滋:明石京子
笠松将:青柳

あらすじ

父が自殺し、実家へ帰った明石幸次。父は大手企業の不正を内部告発したことで死に追いやられ、家族もまた、崩壊寸前であった。そんな明石に児童養護施設のオーナーを務める男、北村が手を差し伸べる。孤児を父親同然に養う傍ら、「子供たちを生かすためなら犯罪をも厭わない。」という道徳観を持ち、正義と犯罪を共存させる北村に魅せられていく明石と、そんな明石を案じる児童養護施設で生活する少女・奈々。しかし明石は次第に復讐心に駆られ、善悪の境を見失っていく―。(公式HPより)

主人公は明石か阿部か

企画から参画している阿部進之介の主人公:明石へのシンクロの度合いが凄まじく、物語のテーマを体現する存在としての存在感がゆるぎない。物語の主人公:明石として悩み、葛藤する俳優:阿部がそこにいるのが、スクリーンを通して伝わってくる。そして、それは作品を観ている観客へと問いかけてくる。リアリティを通り越し、一対一で問いかけられているような、心が伝わってくる作品に仕上がっている。

正義とは何か

人の心の中には、それぞれの正義があり、悪がある。それが行動や態度に表れた時、社会ではどのように受け止められるのか。現代の社会において、法や常識という形で、社会正義にようなものが提示されているが、果たしてそれが「自分の中の正義」に反した時、人はどのように感じるのか、考えるのか。普遍的なテーマを粗削りに投げつけられているような問いかけが、私達の心を揺さぶる。

家族とは何か

近年、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』など、家族とは何か、血の繋がらない家族は存在するのか、といったある種、普遍的なテーマが描かれることが増えているが、本作品でも家族を失った者たちが求める“家族”とは何か、どう向き合ったらいいのか、そんな人のありようが描かれている。

作品全体として

海外の作品では、その国の人々や社会性やその背景として横たわるものが描かれることが多いが、日本作品では描かれることが少なかった。そんな中、海外の映画祭でも称賛されるような、骨太で普遍的なテーマを、社会的背景を描きつつ、本作品は描かれていて、素晴らしい。著名な原作があるわけでもなく、TV局や代理店の協力なバックアップがあるわけではない本作品ですが、そんなことは関係なく、この作品には力があり、人の心に響くものがあるので、ぜひ、観て欲しい作品。おススメ作品。

『デイアンドナイト』公式サイト
https://day-and-night-movie.com/

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