『ワイルドローズ』Wild Rose【感想・レビュー】

2020年6月27日土曜日

review

t f B! P L

(C)Three Chords Production Ltd/The British Film Institute 2018

スタッフ staff

監督:トム・ハーパー Tom Harper

出演 Cast

ジェシー・バックリー Jessie Buckley:ローズ=リン・ハーラン Rose-Lynn
ソフィー・オコネドー Sophie Okonedo:スザンナ Susannah
ジュリー・ウォルターズ Julie Walters:マリオン(ローズの母) Marion

あらすじ

カリスマ的な歌声を持つシングルマザーのローズは、故郷のスコットランドからアメリカに渡り、歌手としての成功を夢みていた。だが、不器用にしか生きられない彼女は、夢を追い求めるあまり、愛する母親や幼い二人の子供たちを時に傷つけてしまう。夢か家族か、若さと才能を兼ね備え、遂に掴んだチャンスを前に、葛藤する彼女がたどり着いた答えとは?書き下ろした初のオリジナルソング。ラスト5分、魂のステージが今幕を開ける──!(公式HPより)

サクセスストーリーではなく、ヒューマンドラマ

才能あるヒロイン・ローズが成功するまでの軌跡という骨格ではありながら、描いているのは歌手ローズが、なぜ歌うのか、歌い手が歌う理由とはなにか、自分にとっての「歌」とは何か、そういうパーソナルな部分を描いている。

オリジナルソングで最高潮へ

作品中で、ローズがオリジナルソングを歌うシーンが描かれていますが、そこまでに至る彼女の葛藤を観ているだけに、こみ上げてくるものがある。このあたりが、著名な歌手や音楽家の自伝的な作品を客観的に描いた作品とは違い、主人公の心にの共感値が高い所以だろう。

ジェシー・バックリーのサクセスストーリー

ヒロインを演じたジェシーは、この作品で注目を集めたのち、『ジュディ 虹の彼方に』で、主人公ジュディ(レニー・ゼルウィガー)のマネージャー役など、メジャー作品へキャスティングを勝ち取っている。そういう意味では、結果的にローズのサクセスストーリーというよりも、ジェシーのサクセスストーリーとなった作品

作品全体として

音楽映画というと、名曲を並べて、曲の力が作品を牽引する作品が比較的に多い印象だが、この作品は歌手:ローズの物語を描いている作品であり、そのあたりが他の音楽映画との違いだろう。この作品を観ると、ローズとともに、怒り、悩み、葛藤し、涙することができる、そんな作品。

『ワイルド・ローズ』公式サイト

『ワイルド・ローズ』Wild Rose(IMDB)

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